FXを始めよう・または今まさにFXに取り組んでいると、
勉強の一環としてFXに関する書籍も読みたくなるでしょう。
本屋に行ってFX・株式投資コーナーでいろんな本を手に取ってみたり。
FXで成功している人の本を読んで、自分も真似してみようと思ったり。
わかります。
私にもそういう時期がありましたから。
ただ、結論としては「必要ない」です。
この記事は、その理由を説明していきます。
FXに関する書籍のほとんどは「自分の成功体験」メイン
実際にいくつか読んだことのある方ならわかると思いますが、
殆どの書籍は「自分自身の成功体験」がメインです。
それも大方、下記の流れなんですよね。
- FXを始めようと思ったきっかけ(お金が欲しい、貧乏だetc)
- うまくいったと思った(ビギナーズラック)
- 調子に乗ったら大失敗
- 後がない!人生どん底!でもやめるわけにはいかない
- 借金した、なけなしをお金をかき集めた
- チャートを24時間見て勉強した
- 自分なりのやり方を見つけたら、大成功!
- おかげさまで今はうまくいっています。人生大逆転!
- この本をもって、皆さんにもFXで成功してほしいです!
- 自分のサロン(もしくはメルマガ、公式LINE等)はこちらです!
わかります?
こういう本のテンプレートでもあるのかな?というぐらいですね。
分かりやすく言えば、人気の出るストーリーの流れですね。
どん底から這い上がった!諦めなければ成し遂げられる!
今、まさにFXでうまくいっていない人にとっては「勇気」をもらえる内容にもなっているでしょう。
FXを学ぶのに他人の自伝は必要ない
他人の自伝を読んで、勇気づけられる人も多いでしょう。
この人も大失敗したけれど、這い上がってきたんだ!
なら、自分にもきっとできる!
こんな風に。
そのこと自体を否定するつもりはありません。
その自伝にある「失敗した理由」をきちんと分析し、
自分事として理解して落とし込めるのであれば、読む価値もあるでしょう。
単純に「勇気づけられました!」ならば、いっそのこと読まない方がいいです。
それを読むぐらいなら、
FXそのものについてしっかり説明されている本を何度も読み、
そしてチャートとニュースを照らし合わせて考察を繰り返す方がよほど有益です。
FXの本を出す人のほとんどは読者を養分にしたいのが本音
ところで、彼らはなぜ、本を出すのか。
本が売れれば印税が入るから?
もちろんそれもあるでしょうが、それよりももっと大きな目的。
実はこういった本には、
大抵最後の方に自分のTwitterアカウントを始め、
サロンやLINE、メルマガ等への誘導が載っています。
自分のフォロワーを増やすこと。
そこから得られる収入を増やすこと。
それが、本を出す目的なのだと考えても間違いないでしょう。
FX成功には「時代」「運」も大きいことを忘れるな
FXをやっている人の中には、安定して稼ぎ続けている人ももちろんいます。
※そのことで目立つ人もいれば、誰にも言わず人知れず成功を積み重ねている人も。
ですが、ほとんどは「一発屋」に近いなというのが、
3年間FX界隈を見てきた私の印象です。
「とりあえず、ドル円をロングだけしておけばよかった時代」もあります。
はたまた、偶然にも、
その時に自分が使ったテクニカル分析に綺麗に当てはまったチャートの形になることもあります。
そして、この時にたまたま「大金」を賭けていたらどうなるでしょうか。
一気に稼げますよね。
そして、その時の口座だけを見せてしまえばいいわけです。
あとは、口八丁手八丁じゃないですが、
SNS上で上手にフォロワーの心理を煽ったりしながら、「有料」の何かに誘導し。
それを収入源としていくというような人を何人も見てきました。
ミラトレ(※)は自己責任で!とか、FXに聖杯はないとか、
そういうことも上手に織り交ぜながら、相手が自分に対して責任を問うことができないようにする。
それを繰り返しながら、自分から離れないようにからめとっていくのですね。
「書籍」はそのとっかかりを作る(自分に対する信者を作る)ための手段の一つなのだと、
そういう風に理解しておく方がいいでしょう。
※ミラトレ
ミラートレード。
先出ししているトレーダーのポジションを真似てトレードすること。
例えば「今、ドル円を100円でロングしました!」というツイートが流れたら
すぐに追いかけて自分も同じように取引をするようなこと。
このミラトレに関するメリット・デメリットは別記事にて。
まとめ
他人の成功体験本がメインとなっているような本なんて、読む必要は全くありません。
その人がなぜその手法にたどり着いたのか?ということも、知らなくて構いません。
ほんの数か月でも為替の背景は変わります。
また、FXに使える時間や、自分にとってしっくりくるテクニカル分析や取引時間等、
環境だって全く同じということはありません。
読むなら、テクニカル分析や経済情報の説明等がある実用的な本だけにしましょう。