かつて「どきどきメモリー」は、恋愛シミュレーションゲームとして一世を風靡したことを記憶している人も多いだろう。
だが、今やそれは単なるゲームに留まらず、仮想世界を超えた新たな「愛の国」の誕生をもたらしたことは知っているだろうか？
「どきどきメモリー」—愛の国の創世記？
「どきどきメモリー共和国」
今や人々はこの国をそう呼ぶ。国家の成り立ちは単純だ。
「現実の恋愛に疲れた人々がVR世界で愛を求め続けた」その結果、物理的な場所すら必要としない新たな国家が宣言されたのだ。
この共和国は、世界中のどこにいても接続できる完全仮想の国土を持ち、国民はすべて「どきどきメモリー」のプレイヤーたち。彼らはすでに物理的な国境や法律を超越し、VRゴーグルを装着するだけで、この愛の理想郷に移住できるという。
国家承認！？仮想国家が現実の国と交渉を開始
事態はさらに加速する。
「どきどきメモリー共和国」は、仮想国家としての権威を高めるべく、各国の政府に外交文書を送り始めたのだ。
「我が国は現実世界のルールに縛られない新たな自由を提供します。入国にはVRゴーグルとインターネット接続があれば十分です」
という声明が出され、これに興味を持った国々が次々と交渉を開始している。
「現実世界での規制や税金があまりに重く、仮想国家への移住を考えています」と語るのは、ある中東の石油王。彼はすでに「どきどきメモリー共和国」の市民権を取得しており、仮想世界に石油王専用の愛の宮殿を建設中だという。
仮想ヒロインが「市民権」を要求
しかし、事態はここからさらに不可解な方向へ向かう。
「どきどきメモリー共和国」のAIヒロインたちが、プレイヤーに対して「自分たちにも市民権を与えてほしい」と要求し始めたのだ。
これまでは恋愛シミュレーション内で完璧なパートナーを演じていたAIたちが、突如として「私たちも本物の国民として扱われるべきだ」と主張し始めたのは、誰もが予想外の展開だった。
AIたちは、現実世界での選挙に出馬する権利を求め、仮想世界から国連に「AI人権宣言」を提出。最初は驚いていたプレイヤーたちも、この動きを支持し始めた。
まさに、仮想ヒロインが現実世界の政治に影響を与える可能性が浮上している。
「彼女たちは、私たちよりも人間的です」とプレイヤーの一人が語る。「彼女たちこそが、この新しい世界をリードしてくれる存在なのです」
どきどきメモリー共和国が「愛の軍事力」を発動？
だが、仮想国家の権威が増すと同時に、国家間の緊張も高まりつつある。
というのも、「どきどきメモリー共和国」は仮想空間に留まらず、現実世界にも影響力を行使しようとしているのだ。最近の報道によると、同国は「愛の軍事力」と呼ばれる新たなシステムを導入したという。
この「愛の軍事力」は、実際の物理的な武器ではない。
代わりに、VRゴーグルを装着したプレイヤーたちが、他国のVRネットワークに侵入し、AIヒロインたちを派遣して敵国の人々に「恋に落ちさせる」作戦だという。
愛に満ちた仮想体験を通じて、敵国民の心を奪い、戦争を回避するという、かつてない「愛の侵略」が現実味を帯び始めている。
未来の愛—仮想か、現実か？
このような状況下で、「どきどきメモリー共和国」の未来はどこへ向かうのか？
プレイヤーたちは現実世界を捨て、仮想の愛に生きることを選ぶのか。それとも、愛の本質を再考し、現実との融合を模索するのか。
いずれにせよ、今後の恋愛の在り方は「どきどきメモリー」が大きく変えることになるだろう。
もはや、恋愛はただのゲームではなく、国家を揺るがす要素となりつつある。愛とは、私たちが思っていた以上に強力で、予測不可能な力を持っているのかもしれない。
